かなちゃん(仮名)は3歳のときからピアノ教室に通い始めました。
穏やかで優しい彼女は、音楽を心から楽しむ可愛らしい女の子です。
今は高校3年生になり、受験のために一時的にピアノから離れていますが、
受験が終わったらまた再開すると約束してくれています。
かなちゃんが中学3年生だった頃のことです。
それは、彼女にとって大きな転機となる出来事が起こった年でもありました。
中学生になってから、かなちゃんはますます
ピアノを楽しむようになりました。
特に、自分の感情をピアノで表現する喜びを強く感じていたようで、
「ピアノは私の癒し」と語ることも多くなりました。
彼女は中学校でバスケットボール部に入部し、
努力家のかなちゃんは2年生で見事にレギュラーに選ばれました。
しかし、それからしばらくして、部活動の顧問の先生が
レギュラーの生徒たちに対する態度を急変させました。
先生は、理不尽な言葉を毎日毎日投げかけるようになったのです。
その言葉を受け止めるしかなかったかなちゃんの心は、
次第に暗く沈んでいきました。
レッスンに来ても、いつもは楽しくおしゃべりをしてくれるかなちゃんが、
どこか無言でうつむくことが増えていきました。
「どうしたの?何かあった?」と尋ねると、
彼女はずっと堪えていた気持ちを一気に私に話してくれました。
ある日、学校から帰ったかなちゃんは、
玄関でカバンをおくと真っ直ぐに
家の電子ピアノの前に向かいました。
ヘッドホンをつけ、無言でピアノの鍵盤をたたき始めます。
お母様には、ヘッドホンから流れるドレミの音は
聞こえませんでしたが、鍵盤を叩くカチャカチャという音だけが
静かな部屋に響いていました。
1時間経っても、その音は止まりません。
お母様は、ただ後ろで黙って見守ることしかできませんでした。
そしてようやく、かなちゃんが弾き終わったとき、
お母様は優しく尋ねました。「何かあったんやね。」
かなちゃんは深いため息をつき、
心の中にあったすべてを話し始めました。
お母様はその話を聞き終えると、
「ピアノ習っててよかったね」とそっと声をかけ、
二人で涙を流しました。
その出来事の後、お母様は私にLINEで
そのことを知らせてくれました。
そして次のレッスンのとき、
かなちゃんもその話を私にしてくれたのです。
そのとき、私もかなちゃんの涙とともに、
自分の目から涙があふれました。
ピアノこころのほけんしつ認定教室
大阪狭山市 かわばたピアノ教室
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